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戯れ言、妄言、独り言。

教訓

こんなにも言いたいことを言ってくれている記事に出会いました。

「言うべきことを言わない」と金融庁が糾弾したみずほ銀行から学べる本当の教訓 https://diamond.jp/articles/-/293768

もう少し言うなら、この関係はユーザーとベンダーにも当てはまるということ。さらにはその間には契約=金銭の関係があるということではないかと。

言いたい事には、ただ苦情だったり不満ではなくて、仕事の文脈で言えば内在したリスクだったり、アイデアに対する示唆が含まれてます。でも、下手にそれを言うことで仕事が取れないとか、余計なコストがかかるとか、関係を悪くするとかになってしまう。

だから、言わずにだんまりで、それが常態化した結果が某銀行さんなのかなと。

言うべき事もやはり同様で、言えばやぶ蛇になって面倒な事になるから、黙り通そうとする。

個人的にはシステム開発の現場では、契約関係はあるものの、ユーザーとベンダーは1つのチームで、契約関係はあっても風通しの良い関係でないと、プロジェクトは大体失敗すると思ってます。

その事が分からないユーザーがなんと多いことか。

燃え尽き?

今の会社で10数年が過ぎました。新卒の頃からだと20年以上、本質的に変わらない仕事内容をずっとやってきました。

その間、繰り返されてきた無理な予算要求と度重なる追加要求。程度の違いはあっても結局はどこも変わりません。

企業がまだまだITをコストとしか見ない体質と、IT業界全体の付加価値をなかなか産み出せない体質と、単価ばかりの下等競争が大きな要因だと思います。

長年続いたそんな状況に、正直もう疲れ果てていっそ全く違う仕事でも、したいなんて思います。

かと言って、この年で何か全く新しいことも難しくて、今の生活を考えると仕事を変えて収入を下げることもできずで…。

でも、動き出さなきゃ何も変わらない。

選ばれなければ、選べばいい。

この続きは、また後日。

お役所のIT事情

大きなお役所には、某大手コンサル会社とか、IT何とか官みたいなブレインがいます。コイツらが時にろくでもないという話。

先日書いたお役所の仕事。何とか提案できるところまで形を作ったのですが、私はコロナ渦の影響もあり、対面プレゼンには参加しませんでした。する気も無かったのですが。

後日、その日の質疑応答が纏められた資料を見つけ、覗き見た際に最初の質疑を見て驚愕しました。

最近の機器では一般的なのですが、インターネット経由でベンダーのサポートと通信して障害をいち早く検知する機能があります。もちろん暗号化もしてますし、セキュリティも保たれてます。

それに対して、そこのIT何とか官の質問には、「セキュリティレベルを下げることで障害情報を検知できるようになるのか?」と書いてありました。

実際のやり取りは分かりませんので、違ったニュアンスがあったのかもしれませんが、この文面だと完全に「インターネットに繋がる=セキュリティレベルを下げる」となる。これは完全なミスリードです。

一方、違うお役所の話。

そこでは某大手コンサルがシステムの多くを取り仕切ってました。ある日の事、営業経由でこんなのを実現したいから、実現可否を検討して、出来そうなら仕事をお願いしたいから見積もってくれないかと、割りと具体的なイメージの絵とともに依頼が来ました。

内部で検討したところ、出来なくはないけど余りにも現実的で無いとなり、修正案を持って行ったところ、持ち帰って顧客と相談すると。後日連絡が来て、今度は我々が提示した案で行きたいけど移行はどうすれば良いかと相談が来ました。

また内部で検討して、移行は実際にやるとしたらこんな感じだろうと整理して話をしたところ、再度持ち帰って検討すると。その後自分たちでやることになったから見積りはもう良いよと。。

信じられないような出来事でしたが、それ以降、そのコンサルから仕事の話が来ることも無くなりました。

いずれも事実で、こういうリテラシーの低い人たちがユーザーならまだしも、ITのアドバイザーとして大きな顔をしているこの国は当分諸外国には及ばないのだろうと思う今日この頃でした。

富について

こんな記事を見つけました。

最富裕層500人、昨年だけで116兆円の資産増 格差の大きさ浮き彫りに https://news.yahoo.co.jp/articles/f48b30631464293d04b092620c0ad575fc9ae44e

昔こんなことを考えた事があります。

地球上のあらゆる資源は有限なのだから、誰かが大量に使えば逆に使えない人も出てくるのだろうと。お金もまたしかりで、きっと無限ではなくて誰かが独占すれば、逆に回ってこない誰かもいるのだろうと。

人の欲には限りがなくて、自分も結局は今より良い暮らしがしたいし、お金も欲しいと思うただの小市民です。

以前テレビで見た、日本で暮らしながら、ほぼ自給自足で暮らしている方が言っていた「足るを知る」という言葉が非常に心に刺さる言葉だと感じました。

営業のお仕事

メインの担当ではないので数回程度ですが、中央官庁(外郭団体)のお仕事をした時の話をします。

お役所との仕事は、まず契約の面で無理があることは知ってました。

契約には決まって、損害賠償の条項があります。システムを作ってる間に何かユーザーに対する損害が発生したら、ベンダーについて賠償責任が発生するということです。

損害賠償は大抵、システム導入費用を上限に定めているのが多いのですが、お役所だと青天井の契約を要求してきます。つまり何かあれば、とんでもない賠償を要求されるリスクがあるということ。

だから大体は、お役所との直契約はせずにSIer経由で契約して、賠償リスクはSIerに持ってもらいます。

しかし、その時は将来的に取れるであろう仕事の見込みや、それで得られる利益の大きさから、営業の鼻息が荒くなり、見切り発車で直契約の提案をすると言い出しました。

そして関係部署が集められ、それぞれの担当で見積りを開始すると、もう各部署とも引くに引けません。かくしてチキンレースが幕を開けます。

内心、時間がない中で提案しても価格で負けるし、どうせ契約で折り合えないと分かってはいるものの、他部署も人を投入してやっている以上、こちらから簡単に降参することもできません。

そんなこんなで何とか、提案を出せるまでに形を付けましたが、結果はやはり価格面で他ベンダーに大負けでした。

この経験を踏まえ最近思うのは、営業は仕事を取ってくるだけではなく、仕事を回すための舵取りも必要なのだということ。

会社全体の方針は経営層が決めるとしても、現場レベルでまず方向性を決めるのは営業です。何故なら市場のニーズを知り、顧客との最初の折衝ができるのは営業だから。

顧客のニーズを汲み取って何を売っていくのか見定める。その上で契約面等での仕事をする上での障壁に対して露払いする。そんな事が大事なんじゃないかなと思った出来事でした。

IT業界の構造について

これも我々の業界で何十年もの間、変わらない問題として多重請負というのがあります。

規制が厳しくなり昔ほどではなくなったものの、下請けの下請け、そのまた下請けと言った感じで、私も下請けの皆さまに支えられて仕事してます。

下請けの問題については、別の機会にするとして、このヒエラルキーの頂点にいるのがSIer(エスアイアーと読む)です。

規模の大きなシステムの開発になると、アプリケーション開発のベンダーやら、我々のインフラベンダーやらと関係者が非常に多くなります。それらを管理してユーザーと調整したりするのがSIerの仕事です。

大手のSIer企業は、その会社の成り立ちやなんかから、あらゆる大手企業に入り込んで幅を効かせています。

また、組織も非常に大きくユーザーからの無理難題や開発トラブルにも、どこからともなく大量の人員を投入して何とかしてしまいます。笑

そんなもんだから、ユーザーも何かにつけてSIerに仕事を依頼した、どんどんSIerの権力が強くなります。こうして立派な寡占状態ができあがります。

最近どこかの金融機関が、ベンダーに無理難題を押し付けたことで裁判になり、ベンダーが勝訴したというニュースを目にしました。ここまでセンセーショナルなことはないものの、似たような無理な要求はどこの企業も押し付けてきます。

ベンダーは少しでもリスクがある様な案件は受けないとか、契約でガチガチに守りを固めて防御しますが、SIerは人員という体力でそれを押しきっていきます。

かくしてユーザーはベンダーに無理を言って当たり前、少しでも要求をねじ込んでやろうとするのが当たり前みたいになっていきます。

契約外のことは一切やらないと強気にやれれば良いのですが、そうはできない日本人の良さ(弱さ)が業界をダメにしている一因でもある気がします。

私の仕事

私の仕事は、システムエンジニアの中でもインフラエンジニアと呼ばれるものです。

システムの中でも、サーバーやミドルウェア、ストレージと呼ばれる大きなハードディスクをセットアップして、作ったプログラムを動かせる環境を作ったり、ユーザーが使える環境を作ったりします。

そんな我々の仕事は、いつも全く新しいシステムを作り出すことだけではありません。むしろ大半は、リプレースと呼ばれるハードウェアの保守期限切れに伴う「作り直し」です。

ハードウェアはコストやユーザーの企業内政治(苦笑)から、別ベンダーのものに代わる事もありますが、同じベンダーの後継機種になることが多いです。合わせてミドルウェアも大抵は新しいバージョンにします。

後継とは言え、新しくなれば新機能が付いたり変わるのは当たり前で、何が変わるのか確認してどうするか判断するのは当然なのですが、まれにコスト削減のために機能は何も変えなくて良い、設計書も既存のものを少し手直ししてくれれば良いなんて話があります。

ストレートコンバージョンなんて言い方をする時がありますが、大抵の場合、こういうのは大きな罠です。

まず後継とはいえ、仕様が全く変わってる場合があります。一から設計し直すのと変わりません。そのままで良いからと設計の工数を削られたのに、一から設計させられたら正直死にます。

理解して追加費用を出してくれるユーザーなら良いですが、お金が無いからこうした訳で大抵の場合で望みは薄いです。

設計書もしかり、ふたを開けてみれば必要な事がろくに書いてなかったり、サーバーの設定変更がまるで反映されてなくて実態とまるで違ったりします。

恐ろしい話で、ごく一部のユーザーだけがこんな極悪な話を持って来るかと思いきや、名の知れた大企業が平気でこういう事を言ってきて、しかもここ数年そういう話が結構多いです。

こういう体質も、日本のITが停滞する要因なんだろうなと思う今日この頃です。