IT業界の構造について
これも我々の業界で何十年もの間、変わらない問題として多重請負というのがあります。
規制が厳しくなり昔ほどではなくなったものの、下請けの下請け、そのまた下請けと言った感じで、私も下請けの皆さまに支えられて仕事してます。
下請けの問題については、別の機会にするとして、このヒエラルキーの頂点にいるのがSIer(エスアイアーと読む)です。
規模の大きなシステムの開発になると、アプリケーション開発のベンダーやら、我々のインフラベンダーやらと関係者が非常に多くなります。それらを管理してユーザーと調整したりするのがSIerの仕事です。
大手のSIer企業は、その会社の成り立ちやなんかから、あらゆる大手企業に入り込んで幅を効かせています。
また、組織も非常に大きくユーザーからの無理難題や開発トラブルにも、どこからともなく大量の人員を投入して何とかしてしまいます。笑
そんなもんだから、ユーザーも何かにつけてSIerに仕事を依頼した、どんどんSIerの権力が強くなります。こうして立派な寡占状態ができあがります。
最近どこかの金融機関が、ベンダーに無理難題を押し付けたことで裁判になり、ベンダーが勝訴したというニュースを目にしました。ここまでセンセーショナルなことはないものの、似たような無理な要求はどこの企業も押し付けてきます。
ベンダーは少しでもリスクがある様な案件は受けないとか、契約でガチガチに守りを固めて防御しますが、SIerは人員という体力でそれを押しきっていきます。
かくしてユーザーはベンダーに無理を言って当たり前、少しでも要求をねじ込んでやろうとするのが当たり前みたいになっていきます。
契約外のことは一切やらないと強気にやれれば良いのですが、そうはできない日本人の良さ(弱さ)が業界をダメにしている一因でもある気がします。