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戯れ言、妄言、独り言。

営業のお仕事

メインの担当ではないので数回程度ですが、中央官庁(外郭団体)のお仕事をした時の話をします。

お役所との仕事は、まず契約の面で無理があることは知ってました。

契約には決まって、損害賠償の条項があります。システムを作ってる間に何かユーザーに対する損害が発生したら、ベンダーについて賠償責任が発生するということです。

損害賠償は大抵、システム導入費用を上限に定めているのが多いのですが、お役所だと青天井の契約を要求してきます。つまり何かあれば、とんでもない賠償を要求されるリスクがあるということ。

だから大体は、お役所との直契約はせずにSIer経由で契約して、賠償リスクはSIerに持ってもらいます。

しかし、その時は将来的に取れるであろう仕事の見込みや、それで得られる利益の大きさから、営業の鼻息が荒くなり、見切り発車で直契約の提案をすると言い出しました。

そして関係部署が集められ、それぞれの担当で見積りを開始すると、もう各部署とも引くに引けません。かくしてチキンレースが幕を開けます。

内心、時間がない中で提案しても価格で負けるし、どうせ契約で折り合えないと分かってはいるものの、他部署も人を投入してやっている以上、こちらから簡単に降参することもできません。

そんなこんなで何とか、提案を出せるまでに形を付けましたが、結果はやはり価格面で他ベンダーに大負けでした。

この経験を踏まえ最近思うのは、営業は仕事を取ってくるだけではなく、仕事を回すための舵取りも必要なのだということ。

会社全体の方針は経営層が決めるとしても、現場レベルでまず方向性を決めるのは営業です。何故なら市場のニーズを知り、顧客との最初の折衝ができるのは営業だから。

顧客のニーズを汲み取って何を売っていくのか見定める。その上で契約面等での仕事をする上での障壁に対して露払いする。そんな事が大事なんじゃないかなと思った出来事でした。